冬は外に干しても乾きにくく、暖房の効いていない部屋に干すと翌朝まで湿ったままになりがちです。この記事は、寒い時期の部屋干しを衣類乾燥除湿機で乾かしたい方に向けて、室温10℃(冬季)の衣類乾燥時間をメーカーが公表しているハイブリッド式・デシカント式の5機種を比べました。
最初に決めておきたいのは2つです。ひとつは「干す部屋の広さと、1回に乾かす量」。除湿可能面積の目安は木造7畳から25畳まで、本体の質量も約6.7kgから16.3kgまで開きがあります。もうひとつは「タンクの水をどう捨てるか」。ホースで流し続けられる機種と、タンクを手で空けるしかない機種に分かれます。
衣類乾燥時間は各社の試験条件での値で、両社とも、部屋の環境や洗濯物の種類・量・干し方によって変わると注記しています。
干す部屋の広さと、排水の方法で決める早見表
| 決めたいこと | 候補 | 確かめること |
|---|---|---|
| 冬でも乾くまでの時間をできるだけ短くしたい | シャープ CV-UH160 | 衣類乾燥時の消費電力は680/705Wと、5機種でいちばん大きい |
| 広いリビングでまとめ洗いを乾かしたい | パナソニック F-YEX200D | 本体は高さ662mm・16.3kg。冬季の速乾は約115分、速乾+なら約99分 |
| 中くらいの部屋で、消費電力と乾く速さの間を取りたい | パナソニック F-YEX120B | 冬季の速乾は約135分。奥行225mmと5機種でいちばん薄い |
| 低い本体を寝室や脱衣所に置きたい | パナソニック F-YEX90D | 連続排水には対応していない。タンクは約2.4L |
| 物干しラックの真下に置ける小型機がいい | シャープ CV-U60 | 除湿能力の測定条件が他の4機種と違う(室温20℃)。連続排水なし |
冬季の衣類乾燥時間は、5機種とも日本電機工業会の自主基準(JEMA-HD090:2017)に沿った、室温10℃・湿度70%・6畳相当・洗濯物約2kg・60Hzの値です。干し方や本体の置き位置は、メーカーごとの試験方法に従っています。
冬季の乾燥時間・消費電力・タンク容量の比較表
数値はパナソニック・シャープの公式サイト(仕様ページ・カタログ)と取扱説明書の記載です。消費電力は「50Hz/60Hz」の順に載せています。
| 項目 | パナソニック F-YEX200D | パナソニック F-YEX120B | パナソニック F-YEX90D | シャープ CV-UH160 | シャープ CV-U60 |
|---|---|---|---|---|---|
| 除湿方式 | エコ・ハイブリッド方式 | エコ・ハイブリッド方式 | エコ・ハイブリッド方式 | オールシーズン・ハイブリッド方式 | デシカント方式 |
| 衣類乾燥時間(速乾・梅雨時/冬季) | 約80分/約115分 | 約90分/約135分 | 約125分/約177分 | 約54分/約70分 | 約99分/約109分 |
| 衣類乾燥時の消費電力(速乾) | 310/330W | 205/225W | 175/185W | 680/705W | 510/570W |
| 定格除湿能力 | 18.5/20L/日 | 10.5/12.5L/日 | 7.8/8.5L/日 | 12.5/15L/日 | 5.4/5.6L/日(室温20℃の条件) |
| 除湿可能面積の目安(木造・60Hz) | 25畳 | 16畳 | 11畳 | 19畳 | 7畳 |
| 運転音(速乾) | 49dB | 49dB | 48dB | 43dB | 51dB |
| 排水タンク | 約5.0L | 約3.2L | 約2.4L | 約4.0L | 約1.5L |
| 連続排水 | 対応 | 対応 | 非対応 | 対応 | 非対応 |
| 寸法(高さ×幅×奥行) | 662×378×296mm | 583×370×225mm | 335×470×250mm | 660×365×245mm | 323×300×300mm |
| 質量 | 16.3kg | 13.0kg | 9.7kg | 約16.2kg | 約6.7kg |
| 運転できる室温 | 約1〜40℃ | 約1〜40℃ | 約1〜40℃ | 1〜38℃(ヒーター切のときは4〜38℃) | 1〜38℃ |
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定格除湿能力は、4機種が室温27℃・相対湿度60%、CV-U60だけが室温20℃・相対湿度60%(速乾時)での値です(シャープのパンフレット脚注)。条件がそろわないため、除湿能力の大小だけで5機種を並べないでください。除湿可能面積の目安は、パナソニックが「木造○畳」、シャープが「木造〜コンクリート住宅で○〜○畳」と書いており、表には木造の値を抜き出しました。
冬にどれだけ速く乾くかと、5機種それぞれが合わない人
パナソニック 衣類乾燥除湿機 F-YEX200D(クリスタルホワイト)
除湿可能面積が5機種で最も広い、エコ・ハイブリッド方式の大容量モデル
定格除湿能力は18.5/20L/日、除湿可能面積の目安は木造23/25畳・鉄筋47/51畳です。衣類乾燥には「標準」「音ひかえめ」「速乾」「速乾+」の4つのモードがあり、速乾は梅雨時約80分・冬季約115分、より強い風で乾かす速乾+は梅雨時約70分・冬季約99分とパナソニックは公表しています。
速乾運転の消費電力は310/330W、速乾+は315/335Wです。タンクは約5.0Lで、市販のホースをつなぐ連続排水にも対応します。衣類乾燥運転は乾き具合を予測して自動で止まり、最長でも約16時間で停止します(取扱説明書)。公式の仕様ページには、お取扱い先を限定している商品との注記があります。
合わない人: 本体を階段で上げ下ろしすることが多い人には向きません。質量16.3kgで、取扱説明書は移動のたびにタンクの水を捨てるよう求めています。
仕様の出典: パナソニック F-YEX200D 仕様ページ
パナソニック 衣類乾燥除湿機 F-YEX120B(クリスタルホワイト)
奥行225mmと5機種でいちばん薄い、中くらいの部屋向けのハイブリッド機
定格除湿能力は10.5/12.5L/日、除湿可能面積の目安は木造13/16畳・鉄筋27/32畳です。衣類乾燥の速乾は梅雨時約90分・冬季約135分、速乾運転の消費電力は205/225Wです。パナソニックのカタログでは、冬季の1回あたりの消費電力量を423Whと公表しています。
タンクは約3.2Lで、連続排水に対応します。風向を左右に振るツインルーバーを備え、衣類乾燥運転は最長約15時間で止まります(取扱説明書)。F-YEX200Dと同じく、公式の仕様ページにはお取扱い先を限定している商品との注記があります。
合わない人: 冬でも梅雨時並みの短い時間で乾かしたい人には向きません。冬季の速乾は約135分で、CV-UH160は約70分です。
仕様の出典: パナソニック F-YEX120B 仕様ページ
パナソニック 衣類乾燥除湿機 F-YEX90D(クリスタルホワイト/ダークグレー)
高さ335mmの横長ボディで、速乾の消費電力が5機種で最も小さい
定格除湿能力は7.8/8.5L/日、除湿可能面積の目安は木造10/11畳・鉄筋20/21畳です。速乾は梅雨時約125分・冬季約177分で、5機種の中では乾くまでに最も時間がかかる一方、速乾運転の消費電力は175/185Wと最も小さい値です。
本体は高さ335×幅470×奥行250mmの横長で、質量は9.7kg。ルーバーは上下に自動で動き、左右は固定のスイング式です。寝具モードなどのケア運転も備えます。取扱説明書では、吹出口と洗濯物の間を30cm以上離し、本体の上方は100cm以上あけるよう案内しています。
合わない人: タンクの水を捨てずに長時間運転したい人には向きません。連続排水に対応しておらず、タンクは約2.4Lです。
仕様の出典: パナソニック F-YEX90D 仕様ページ
シャープ 衣類乾燥除湿機 CV-UH160(ホワイト系/グレー系)
冬季の衣類乾燥時間が約70分と、5機種でいちばん短いハイブリッド機
シャープが「オールシーズン・ハイブリッド方式」と呼ぶ2026年発売のモデルです。衣類乾燥の速乾は梅雨時約54分・冬季約70分。定格除湿能力は12.5/15L/日(除湿「強」)、速乾時の最大除湿能力は14/16L/日で、除湿可能面積の目安は16〜32畳(50Hz)・19〜38畳(60Hz)です。
衣類乾燥時の消費電力は680/705Wと、5機種で最も大きい値です。運転音は速乾で43dB。ヒーターを使うと室温1℃から運転でき、ヒーターを切ると4℃からになります。タンクは約4.0Lで連続排水に対応し、4輪の自在キャスターで動かせます。
合わない人: 衣類乾燥の消費電力を300W台以下に抑えたい人には向きません。同じハイブリッド式でも、パナソニックの3機種は速乾運転で175〜330W(60Hz)です。
仕様の出典: シャープ CV-UH160 仕様/寸法
シャープ 衣類乾燥除湿機 CV-U60(ホワイト系)
高さ約32cm・約6.7kgで、物干しラックの下に置けるデシカント機
シャープの2026年版パンフレットに載っている除湿機で、唯一のデシカント方式のモデルです。本体は幅300×奥行300×高さ323mmで、シャープは物干しラックの下にも置ける高さ約32cmとしています。洗濯物の真下に置き、全周から風を吹き上げて乾かす設計で、衣類乾燥時間の試験も洗濯物の下方に置いた条件です。
速乾は梅雨時約99分・冬季約109分です。衣類乾燥時の消費電力は510/570W、運転音は速乾51dB・音控えめ38dB。切タイマーは2・4・6時間です。シャープの公式FAQでは、前モデルCV-T60と機能・仕様の違いはないとしています。
合わない人: 10畳を超える部屋の除湿にも使いたい人や、タンクの水をこまめに捨てたくない人には向きません。除湿可能面積は7〜14畳、タンクは約1.5Lで、連続排水には対応していません。
仕様の出典: シャープ CV-U60 仕様/寸法
2026年10月の確認時点で、Amazonでは型番(CV-U60-W)が一致する販売ページを確認できなかったため、購入ボタンは載せていません。
買う前に確認したい設置・手入れ・使い方の条件
衣類乾燥除湿機は、置く位置と排水のしかたで使い勝手が大きく変わります。取扱説明書や公式FAQに書かれている条件を、購入前に見ておきましょう。
- 壁や家具から離す距離: パナソニックの取扱説明書は、風通しが悪いと温度が上がって故障の原因になるとして、壁や家具から離す距離を図で示しています。F-YEX200DとF-YEX120Bは本体の上方を70cm以上、F-YEX90Dは100cm以上あけます。押し入れなど狭い場所では使わないよう求めています。
- 洗濯物との間隔: 同じ取扱説明書では、早く乾かすコツとして、吹出口と洗濯物の間をF-YEX200D・F-YEX120Bは40cm以上、F-YEX90Dは30cm以上離し、洗濯物どうしの間にすき間をあけるよう案内しています。
- 運転中の室温の上昇: シャープの公式FAQは、除湿をともなう運転中は暖かい風が出るため、部屋を閉め切って長時間運転すると室温が上がるとしています。パナソニックのカタログは、狭い部屋で使うと放熱で室温が1〜2℃前後上がるとしています。
- 連続排水の準備: 連続排水には市販のホース(内径15mm)が必要です(シャープの公式FAQ、パナソニックの仕様ページ)。パナソニックの取扱説明書は、ホースの周りが氷点下にならない場所に置くこと、排水ホースを2週間に1回程度手入れすることを求めています。冬に窓際や北側の部屋で使うなら、特に確かめておきたい条件です。
- フィルターの手入れ: パナソニックの取扱説明書では、フィルターは2週間に1回程度、タンクは1か月に1回程度の手入れが目安です。フィルターを外したまま使わないよう求めています。
- 長く使わないとき: シャープの公式FAQは、電源プラグを抜いて1日程度たってからタンクの水を捨て、本体の水分をよく拭き取って乾かしてから保管するよう案内しています。
ふとんや毛布まで乾かしたい場合は、衣類乾燥除湿機とは別にマット不要のふとん乾燥機の比較も参考にしてください。部屋干し中に空気の汚れも気になるなら、加湿しない空気清浄機の比較で、除湿機と役割が重ならない機種をまとめています。
候補にしたが外した機種と理由
- シャープ CV-U190、CV-U71、CM-U100: シャープのパンフレットで除湿方式がコンプレッサー方式とされており、冬季(室温10℃)の衣類乾燥時間も公表されていないため外しました。
- パナソニック F-YHX200B、F-YHX90B: パナソニックのカタログで「当社従来品」として比較に使われているモデルで、現行の比較表に載っていないため外しました。
- パナソニック F-YZX60B: デシカント方式で冬季の衣類乾燥時間(約135分)の公表もありますが、2026年版の衣類乾燥除湿機カタログに載っておらず、現行機種として続けて入手できるかを確認できなかったため外しました。
- アイリスオーヤマ IJH-L160/KIJH-L160: ハイブリッド式で、梅雨時(室温20℃)の衣類乾燥時間は公表されていますが、冬季(室温10℃)の値を公式サイトで確認できなかったため外しました。
よくある質問
冬の寒い部屋だと、洗濯物が乾くまでの時間はどれくらい延びますか?
メーカーが同じ規格(JEMA-HD090:2017、約2kg・6畳相当・60Hz)で公表している値では、室温20℃(梅雨時)から10℃(冬季)になると、F-YEX200Dの速乾は約80分から約115分、CV-UH160は約54分から約70分、CV-U60は約99分から約109分になります。シャープの公式FAQも、室温が低いときや洗濯物が多いときは乾燥時間が長くなるとしています。
運転中に部屋が暖かくなるのはなぜですか?
シャープの公式FAQでは、除湿をともなう運転中は吹出口から暖かい風が出るため、部屋を閉め切って長時間運転すると室温が上がると説明しています。パナソニックのカタログも、狭い部屋で使う場合は運転中の放熱で室温が1〜2℃前後上がるとしています。
タンクの水を捨てずに長く運転する方法はありますか?
F-YEX200D・F-YEX120B・CV-UH160は、市販のホース(内径15mm)をつなぐ連続排水に対応しています。F-YEX90DとCV-U60は連続排水に対応していません(パナソニックの仕様ページ、シャープの公式FAQ)。パナソニックの取扱説明書は、排水ホースの周りが氷点下にならない場所に置くよう求めています。
夜に部屋干しを始めて、そのまま寝ても止まりますか?
パナソニックの3機種は、衣類乾燥運転で乾き具合を予測して自動で停止し、最長でもF-YEX200Dは約16時間、F-YEX120BとF-YEX90Dは約15時間で止まります(取扱説明書)。シャープの公式FAQでは、CV-UH160とCV-U60は運転開始から約12時間で自動停止するオートオフ機能があり、CV-U60は解除できません。
仕様を確認した公式ページ(情報源)
- パナソニック F-YEX200D: 仕様ページ/取扱説明書(PDF)
- パナソニック F-YEX120B: 仕様ページ/取扱説明書(PDF)
- パナソニック F-YEX90D: 仕様ページ/取扱説明書(PDF)
- パナソニック 衣類乾燥時間(冬季)・室温上昇の注記: 衣類乾燥除湿機カタログ(PDF)
- シャープ CV-UH160: 仕様/寸法
- シャープ CV-U60: 仕様/寸法
- シャープ 除湿方式・測定条件: 衣類乾燥除湿機パンフレット(PDF)
- シャープ 室温上昇・連続排水・オートオフ・保管: 部屋が暖かくなる/連続排水はできますか?/切り忘れ防止機能(CV-UH160ほか)/オートオフ機能(CV-U60ほか)/長期間使わないときは?
